アクロバティック0.75

アクロバティック0.75 第23話(山勢修三)

 こんばんは、山勢です。
 今日、思いがけず私宛の親展の封書が届き驚いております。
 送り主が書いていなかったので、中を開けて更に驚きました。
 まさか、あなたから手紙が来るとは。
 そう言えば、数日前に妻が言っておりました。何度か無言電話がうちに掛かってきた、と。
 失礼は承知の上で、敢えて言わせてもらいますが、もしかしたら、その無言電話の主はあなただったのではありませんか?
 以前、あなたに住所と電話番号をメールでお知らせしました。あなたはそれが本物か否かを確かめようとしたのではないですか?
 責めるつもりは毛頭ありません。むしろ、それだけあなたが私に向き合ってくれているのだと感じ、嬉しかったくらいです。
 これで少しは信用してもらえたでしょうか。
 終始落ち着いたあなたの文面(すべてのやりとりが活字であるためという要因もあるのかもしれませんが)を拝見していると、とても感情的になって自暴自棄になるタイプとは思えません。
 もう既に頭を冷やして、心中などということは考えていないのではないか、とさえ思っています。
 こうして私のある意味、鬱陶しいであろう呼びかけに丁寧に返信してくださる姿勢からもそれが窺えます。
 やはり、どんなに困難な問題があったとしても、生きていることは素晴らしいものです。
 私たちは永遠とも言える長い時間の流れの中で、奇跡のように短い時を過ごしているのですから。
 それでは、このへんで失礼します。

  山勢修三


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