アクロバティック0.75

アクロバティック0.75 第96話(壱ゐ→棒太)

壱ゐです。

理由(竜崎)さん、母子家庭だったんだ・・・壱ゐと一緒だ。
なんだか、かわいそうだね。

そういえばさ・・・チャットでりゆうさんと山さんと壱ゐが3人で話してたとき、山さん、昔、人を殺したってゆってました。そんときは冗談かと思ったけど、もしもそれが本当だとしたら・・・?
2年前の理由さんを殺したのが、山さんだったってのは飛躍しすぎかな?
つまりね、理由(竜崎)さん家の火災が例えば放火とかで、その犯人が山さんだったとして、何かの事情で理由さん(壱ゐたちの知ってるほうのネ―――あー、ややこしい!)が、それを知ってしまった。
そして、山さんを疑わしく思っていたりゆうさんは、チャットの中で確信するの。「人を殺した」って竜崎さんのことだってね。
―――2年前の復讐。
それこそが、山さんを殺した動機だとは考えられないかな?

前にりゆうさん、あのF××のカキコはランダムに書いたんだってゆってたけど、あれって本当は違ってたのかもしれないね。
あのカキコが山さんを探し出すための撒き餌だったとしたら、2年前、自分が見つけたのと同じカテゴリーにカキコしたってことになるよね。
山さんに発見させるため、あえて彼が見そうなカテゴリーにカキコした・・・違うかな?
そんでもって、壱ゐのおバカ推理が正しかったとすると、りゆうさんは「hiro」さんか「山勢修三」さんてことになるよね。

でも、そんなこと壱ゐにとってはどっちでもいいよ。
りゆうさんはりゆうさんだもん。

りゆうさんはね、パパが亡くなってさびしい壱ゐをすごく親身になって慰めてくれたの。
だからかな、りゆうさんに初めてオフで会ってから、もっともっと好きになったのは・・・。
パパにどこか似てたんだ。
あったかさとか、そういうのがね。
あの人は壱ゐにとっての足長おじさん、年中無休のサンタクロースだったんだよ。
だからさ、たとえ、りゆうさんが犯 罪者だったとしてもいいんだ。
だって、りゆうさんは壱ゐの大切なトモダチだから。


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