アクロバティック0.75
アクロバティック0.75 第98話(理由→山勢修三)
こんにちは、山勢さん。
竜崎香苗です。
あなたからはたくさんの宝物をもらってしまいましたね。
勇気とか希望とか思いやりとか。
ずっと母を避けていた過去の私はもうどこにもいません。
私は生きます。頑張って生きていきます。
どんな困難も自分の力で乗り越えてみせます。
だからこれからも私のこと見守っていてください。
耳が聞こえないくらいの障害に押しつぶされたりはしません。
聾唖者の自分に卑屈になるのも、もうやめます。
昨夜、久しぶりに母とふたりきりで話しました。(筆談で)
私が聾唖で反応が鈍いから、父を死に至らしめてしまった。
母はそれがもとで私とも会話を避けていたのだと思っていました。
でも違っていた。
私になんと声を掛けていいのか分からなかったのだと涙声で話してくれました。
私は今とても幸福な気持ちで一杯です。
そのうちに手話の勉強でもしてみようかとも思っています。
ところで、今月の18日に「しんじゅー組」のオフ会を開催しますが、山勢さんも参加してみませんか。
チャットでご一緒したなりまさんやハウスタディさん、
それにhiroさんも来ますので。
>今度はうちに遊びに来ませんか?
えっ?本当にお宅にお邪魔してよろしいんですか?
私みたいな者がいいんですか?
でも、行きたいなあ。奥さんの手料理ですか。いいですね。
それに、以前にかけた無言電話のお詫びもしたいですし。
PS 父の命を奪う原因となった私の不審火。火へのトラウマは当分消えそうもありません。
火を見ると今でも怖いです。でも、それだっていつか克服してみせます。いつかきっと―――