第9章


第9章  役不足

 遙と室町が食堂に現れた頃には、ほとんどのメンバーが揃っていた。
 無論、山口代理人や【代理人助手】も一緒だ。
 2人が席に着くと、空席は数馬だけとなっていた。
 しかしどうも様子がおかしい。皆、席に座したままで、食事を作ろうとか話をしようとかする者がひとりもいない。
 こういうお通夜みたいな雰囲気を苦手とする室町が、ことさら明るい調子で一同に声をかけた。
「なんや、数馬くんがまだかいな。あいつねカメラで遊んどるんですよ。と言うのもやね……」
「誰だね? こんなもの置いといたのは。ったく、質の悪い悪戯はやめてくれないか」
 そう言って、話しに割りこんできたのは平一だった。
「何ですか? 質の悪い悪戯って……あ、なんやこれ?」
 室町も遙もテーブルの上に置かれた小さな紙切れに気付いて驚いた。それがこの場の重苦しい空気をつくった元であることは明らかだった。
「さっき来てみたら、テーブルの上にこんなものが置いてあったんだ」
 発見者の螺子目がその紙きれを摘み上げて室町たちに回してやる。それはゲストルームに常備されているメモ帳を破ったものだった。そしてミステリーではお馴染みの定規で引いたような文字が……。


「ワタシハダレモコロサナイ……私は誰も殺さない? なんやろな?」
「さあ……【犯人】の自白文でしょうか?……」と、誰にともなくサチコが呟く。
「なんでや……なんでこんなこと……」
「畜生、ふざけやがって……そっか、分かったぞ!」
「何が分かったんだ?」
 隣席の平が冷ややかに尋ねる。毎回見当違いのことばかり言ってる松本の「分かったぞ」ほど信用できないものはない。そんな思いを知ってか知らないでか松本は自信たっぷりの態度だ。
「つまり、【犯人】はびびっちまったんだよ。奴はよもや自分が【犯人】になるわけがないと思っていた。ところが【犯人】のカードを引いちまって、そりゃもう慌てたわけだ。どうしようどうしようと一晩悩んだ挙句、やっぱ人殺しなんて自分にはできない。そう思ったんだな。だからこういう形で意思表示をしたってわけさ」
 松本は胸を張って、誠に安直なことを言う。
 そして当然の如く、彼の意見に同意する者はいない。呆れるほど単細胞の男にまずは美結が反論を述べた。
「じゃあ、どうして筆跡を隠したりするのよ? こんな回りくどいことしないで自分が【犯人】ですって名乗り出ればいいじゃない。だってそうでしょう? 【犯人】がこの場で、『私が【犯人】です。私は人なんて殺せません』とでも言えばすむことじゃない」
「そやな。はっきり名乗り出てもろた方が、多少は信用してみようかなあってことになるんやけどな」
「たとえここで名乗り出ても賞金が発生していないわけだから、誰も告発なんてしないはずだし、そもそも誰も殺さないって言っている以上、死ぬのは覚悟の上でしょう? もう、こそこそする必要なんてないはずだわ」(規則5犯人(6)参照)
 後から来た室町や遙も松本の楽天的な意見に否定的だった。
 松本はよっぽど心外だったらしく、ぐたぐたと文句をたれた。
「何だよ何だよ。お宅ら嬉しくねえのか? 【犯人】はわざわざゲームを投げちまったんだぜ。そりゃあ俺は面白くねえけど、遙さん、あんたは素直に喜んだっていいだろう? どうやら命の保証はされたわけだからよ。それにしても【犯人】さんよ、ちったあ根性見せてみろよ。何とか考え直しちゃくれねえかな」
「いや、でも……」
 遙はどうも腑に落ちない様子だ。それは彼女ばかりではなく他の面々も同じだった。
 ふと、千夏がある疑問を投げかけた。
「本当にこれを書いたのは【犯人】かしら?」
「なっ、何だって! 千夏、お前、気は確かか? この文章は【犯人】だからこそ書けるんだろう。他の連中を殺れる権利があるのは奴だけなんだぜ」
 千夏は松本を無視して話しを先に進める。
「確かに【犯人】の心理としてズバリ名乗り出るというのは勇気が要ると思うわ。だって誰かがもし今後、時間に遅れるとかの規則違反をするようなことがあれば、図らずも【犯人】に賞金が転がり込んでくる。ついでに一人死ぬわけだから【犯人】の命も助かる。でも自分がはっきりと【犯人】だと名乗り出ていれば、他の人たちが黙っているわけがない。即刻告発よね。逆にこういう形で自分の名前を伏せていたなら、【犯人】にとっては棚からぼた餅。誰も殺めずして賞金を手に入れられる……」
「じゃあ、辻褄合ってんじゃねえか。他に何が気に入らねえってんだ?」
 噛みつかんばかりの狂犬松本に、螺子目が穏やかに声を掛けた。
「そう熱くなるな、松本くん。まあ彼女の話を最後まで聞いてやろうじゃないか」
 螺子目に促され先を続ける千夏。
「でも、仮に私が【犯人】だとして、皆さんに、誰も殺す意思がないと伝えるのなら、【代理人】を通じて言ってもらうと思うの。だってそうすれば一にも二にもそれが【犯人】本人の意思だということになるでしょう? 【代理人】に命じることができるのは【犯人】だけなんだから」
「ちょっと待てよ。そいつはおかしいぜ。【代理人】が【犯人】に協力するのは、【被害者】を殺 害することを目的としたときだけだろ。この場合はすっかり逆の話しだから、【代理人】は使えないんじゃねえか?」
「だから、【被害者】を油断させるためだと説き伏せるのよ。そしてそれが真の目的だとするとこのメモは【被害者】が書いたものだとしても不思議はないわ」
 そうなのだ。このメモを額面通り受けとめるのは、あまりにも無理がある。むしろ、【被害者】を油断させるため構成員の誰かが張った罠と考えるのが妥当なのだ。してみると、松本の思惑はまたしても大はずれということになるわけだが……。
 ずっと黙って聞いていた菅野祐介が千夏に盛大なる拍手を送った。
 彼は満面に笑みを浮かべて彼女を褒め称える。
「千夏さん、やはりあなたは僕の思ったとおりの人だ。まったくそのとおりです。これを書いたのは【犯人】ではなく、【被害者】の中の誰かですよ」
「まさか、菅野くん、君がこれを……」
「おいおい、ウオーミングアップはもうたくさんだぞ」
 螺子目、平が口々に菅野を非難するが、彼はいたって涼しげに犯行を否定した。
「冗談じゃない。僕はこんな稚拙な罠は仕掛けませんよ」
 『姑息』ではなく『稚拙』と表現するあたりいかにも彼らしい言いっぷりだ。
「そのメモは千夏さんの言うとおり【被害者】を油断させようとして書いたものです。これを書いた人物はどうしても賞金が欲しいと思っている。でも自分が【被害者】である以上、誰かが死ぬまで賞金を得ることができない。だからせめて【犯人】の手助けをしようと、そう考えたのでしょう」
「ええっ、ホンマかいな。非道いやっちゃなあ、誰やねん、そいつは?」
「これがフェイクであることは明らかです。そして、こんなことをする人間の性格は簡単に分析できます。命の危険より金を欲し、人が殺されるのを平気で見ていられる人物。他人を蹴落とすのに一抹の罪悪感も感じない。浅知恵で、本能的かつ短絡的。間抜け、変態、人間のクズ、存在そのものが恥……」
「黙れ黙れ黙れ!」
 堪らず松本浩太郎がテーブルを叩いて立ちあがった。顔は蛸入道のように真っ赤で、身体は怒りに打ち震え、声まで震えていた。それでも精一杯声を押し殺して言った。
「菅野、てめえ、いい加減にしろよ」
 されど、怒鳴って相手を威圧するしか能のない彼では、一枚も二枚も上手の菅野を押さえつけることはできなかった。
「おや? 別に僕は君のことだとは一言も言っちゃいないよ」
「うるせえうるせえうるせえ!それ以上言ったら、その口縫いつけるぞ!」
 その狼狽ぶりからして、彼が騒ぎの元凶であることはもはや明々白々だった。
「最低ね、あんた」
 美結が侮蔑の言葉を投げかけた。一同の冷ややかな視線が松本に集中する。
「しょ、証拠はあるのかよ。俺がこれを書いたっていう証拠は?好き勝手なこと言いやがって、菅野大先生ともあろうものが、憶測だけでものを言うなよ!」
 と、憎悪のこもった目で菅野を睨みつける。
 証拠……確かにそうだ。この莫迦げたメモが松本の仕業であることは間違いなさそうだが、その根拠がない。一同はその答えを求めて菅野に目を向ける。
「本当に見苦しい男だね、君は。証拠なら君の顔に書いてあるだろう?」
「ぷっ……」
 思わず遙がふきだした。まったくその通りだった。これほど顔に出やすい男も珍しい。しかし菅野はそれとは別にちゃんとした理詰めの根拠を持っていた。
「君ほどわかりやすい人間も珍しいね。しつこいようだが君のことなら大概分かるよ。どうだい、食後のビリヤードは楽しかったかい?」
 妙なことを言う菅野に螺子目は首を捻りつつ問いかけた。
「おや? 菅野くん、さっき娯楽室にいたっけ?」
 螺子目は彼一人だけ自分の椅子にビリヤードのキューを立てかけていたので、彼がビリヤードをやったかもしれないというのは容易に見当がつくところだ。しかし、その相手が松本だということを朝食後いち早く退室していった菅野にどうして判ったのか? それともどこからか見ていたのだろうか?
「いなくても分かりますよ。彼の右手に白い粉がついている。それはキューの滑り止めに使うチョークの粉です。そして右手に粉がついているということはキューは左手に持っていた。つまり彼は左利きです。更に、文字を書くときも彼だけは左手で書いている。それは、昨夜の説明会で全員が誓約書に署名していたのを見ていましたから間違いありません」
「そんな細かいところまでよく見ているなあ。いや、しかし、彼の左利きがこのメモとどう関係してるんだい? このメモが左利きの人間が書いたものだという証拠でもあるのか」と、螺子目がもっともな質問をする。
 一同、興味津々で俄か探偵の次の言葉を待った。
「それでは、今一度そのメモを見直してください。筆圧を隠そうとでも思ったのでしょうか、マジックペンで書かれています。そして、ところどころに滲みが認められます」
「うむ、そうだな……」と、相槌をうつ平。
「皆さん、右利きですからあまり気にはならないでしょうが、左利きというのは何かと不便なものでして、横書きの文章は言うまでもなく左から右に書いていくものです。このくらいの文字……いや、図形と言った方が適当ですね、これを書く場合、左手で書こうとすると、どうしても書いた字の後ろを手がついていく格好になる。これがマジックペンの生渇きだったとしたらどうなります? そう、右方向へ手の腹で擦ったような痕が残る。丁度こんな風にね」
「あ、なるほど。確かにそうね」
 美結が左手で書く真似をしながら、しきりと頷く。これはもう決定的だ。
 そこまで追いつめられてもなお、松本はささやかな抵抗を試みる。
「わーったよ。確かにこいつは左手で書かれたものかも知れねえ。そして左利きはどうやら俺だけらしい。でもよ、そこまで見越して俺の仕業だと思わせようと誰かがわざと左手で書いたのかもしれないぜ」
 ここまで来ると、もう往生際の悪い奴としか言いようがない。どうやら彼には桜吹雪のひとつも拝ませてやらなければならないようだ。
 果たして菅野はこの逃げ口上に対する答えもしっかり準備していたのだった。と、いうよりも「それ」を発見したからこそ、松本の仕業だと判ったのだ。
「いいだろう。そこまで身の潔白を主張するのなら、その汚れのない左手を皆さんの前に掲げてみたまえ」
 席を立った菅野が、松本の拳を指差し王手をかけた。
「……くっ」
 万事休す。
 彼の拳は握られたまま開かない。
 そしてその口も開きそうもなかった。
 菅野は右手のチョークの粉に気付いたくらいである、当然、反対の手にも注目していたのだ。
 彼の左手には間違いなく黒いマジックの痕が残っている。
 これで詰み、である。
 それにつけても、菅野もなかなか意地の悪い男である。左手の痕に気付いていたのなら、初めからそれを指摘すればいいものをあえて遠まわしに論理を展開し、ねちねちと彼を追い詰めたのだから……。
「だからわかりやすいというんだ。手袋をしろとまでは言わないが、手の下に紙を敷くくらいのことはしてもいいだろう……実に杜撰だ。恥ずべき初歩的なミス。もし君が【犯人】なら、とうの昔にボロを出していることだろう。ですよね? 山口さん」
 【代理人】は唇をほんの少し歪めて見せただけで、当然のようにポーカーフェイスを決め込んでいる。
「しかし、あんさん、よう切れるやっちゃなあ。葬儀屋にしとくのは勿体ないで」
「本当ですわね」
 ちょっとした推理劇を終えた菅野に賛美の声が上がると、間抜けな犯人役を演じてしまった松本はすこぶる不愉快になった。彼はすっかり居直って、どっかと椅子に座り、その両足をテーブルの上に投げ出した。
「けっ、白状すりゃいいんだろ。ああ、俺だよ。そのメモは俺が書いて置いたんだよ。でもよ、あんたどうして俺を【被害者】だって決めつけるんだ? さっきあんた、これを書いたのは【被害者】の中の誰かだ、って言ったよな。大先生お得意の二面性とやらから推し量ればよ、俺がバカやってんのは自分を【被害者】と思いこませるための芝居で、実は【犯人】だったって可能性もあるんじゃねえの?」
「そうだね。ま、可能性はジャパンカップで万馬券当てるくらいに低いけどね」
 抑揚ない言葉遣いの菅野であったが、それがまたいちいち松本の癇に障った。
「ふん、後で吠え面かくなよ……それよか、誰も数馬を心配してねえのか? どうせ俺は『人が殺されるのを平気で見ていられる人物』だから、誰がペナルティくらって死のうがカンケーねえけどな」
 思い出したように美結が腕時計を見る。
「あ、そっか。今12時40分だから、あと20分以内にここに来ないとあの子は……」
 そのあとを平が引き取る。
「殺されるってことだな……なに、わざわざ探しに行くこともないだろう。もし彼が時間に来なくても自分の不注意でペナルティを受けるわけだから誰も心は痛まない。誰も手を汚さずして【犯人】は一千万円、【被害者】も金を得る権利が発生する」
「【犯人】がその一千万で妥協してくれれば言うことはないね。そうすれば少なくとも命だけは助かる。後はじっくりと【犯人】を追い詰める方策を考えていけばいい」と、螺子目が言う。
 これを聞いた千夏は整った顔を歪めて、「なんて情けない人たち!」と怒りを露にした。
「あなたたちおかしいわ! それでいいの? ホントにそんなことでいいの?」
 いらえはない。
 狂気の部屋は、確実にその場の空気を汚染していた。
 誰も自分以外の人間を信じちゃいない。自分さえ助かればいい。ついでに金も欲しい。むきだしの悪意はとどまるところを知らない。体裁など気にもとめず、道徳観も倫理観もすべてかなぐり捨て、ありふれた人生の中で知らぬ間に被っていた偽善のマスクは完全に剥ぎ取られていた。
 しかし、まだ汚染されていない人間も確かにいた。それは森岡千夏ばかりではなく、石田サチコも同様だった。
「千夏さん、もう放っておきなさい。この人たちに構っていても時間の無駄ですわ。さあ急がないと。手分けしてあの子を探しましょう。行動できる範囲は限られているのだから、どこかに隠れてでもいないかぎりすぐに見つかるはずよ」
 老婆の強い意思に気圧されて一同一瞬口を噤む。
 そして慌しく食堂を出ていく千夏とサチコ。
「あ、あたしも……」
 迷った挙句、遙も席を立ち2人の後を追う。
 残った6人の中に気まずい空気が流れた。
「あーあ、怒らせてしもうたで」
「そういうあんたは行かないのか?」
「え、俺?」
「そうだよ。あんたも偽善者側の人間じゃねえのか?」
 立ち直りの早い松本の問いかけに室町はへらへらと嗤いながら答えた。
「まあ、行きたいのは山々なんやけど、俺、あの少年、ちょっと苦手やねん。数馬くんにはなんやこう得体の知れないもんを感じるんや」
「何だ、あんな子供にびびってんのか。ありゃただの知恵遅れのガキだぜ」
「でも怖いもんは怖いねん。こんなとこで虚勢張ってもしゃあない。俺めっちゃ怖いねん。なあ、松本くん、俺たち組まへんか? あんた腕っぷし強そうやし。2人で一緒におったら安全やろ」
「ふん、俺が【犯人】だったらどうするよ? それこそサシじゃあ、あんた俺には敵わないぜ」
「そりゃないわ。君、一番の安全牌やで」
 薄ら笑いを浮かべてみせる室町に松本は憮然として、
「ちっ、寝首刈られても文句言うなよ」
 そこへ話題の人物が入室してきた。周りの心配をよそに数馬は実にのどかな口調で言ったもんだ。
「あれ、お昼まだなの? 僕もうお腹ぺこぺこ」
「なんだ、数馬くん、君来たのか?」
 螺子目がある種の失望感を抱きつつ声をかけるが、少年はけろっとして「だって1時までにここに来なくちゃいけないんでしょ」と返答した。
 一同思わず苦笑する。それもそうだ。いくら幼く見えても仮にも彼は中学生。そのくらいの分別はつくはずなのだ。ただいささか緊張感に欠ける部分は否めないが……。
 これで昼食時のタイムチェックも全員クリア。そうなると数馬ばかりでなく、他の面々も俄かに空腹感に襲われる。
「ねえ、誰が食事作るのよ?」
 と、美結がこぼすと、男たちの目が言った本人に向けられた。今、この場に女性は彼女一人だけだった。
 美結は露骨に厭そうな顔をしたが、やがて観念し、重い腰(というより重い身体)を浮かせた。
「しょうがないわね。言っとくけど、あたし、あまり料理得意じゃないからね」
「ほな、俺も手伝うわ。こう見えても一応調理師の資格持ってんねん」
 室町の意外な特技に螺子目は少なからず驚いた。
「へえ、君はコックやってるのかい?」
「いやあ、本業は車のセールスやねんけどね……ま、料理はただの趣味ですわ」
 と、照れたように頭を掻く。
「あ、俺の分は要らねえぜ。さっきカップメン食ったから」
 松本がそんなことを言うものだから、一旦厨房に引っ込んだ室町がおたまを片手に食堂に戻ってきた。
「なんや相棒。俺のメシが食えへんちゅうんか? 食えるときには食っといたほうがええで。最期の食事がカップメンじゃ死んでも死にきれへんからなあ」
「誰が相棒だよ。それに俺は死なねえよ。あと50年は生きてやるさ。俺はお宅らと違ってヤワじゃねえんだ」
 もしこの場に予知能力者がいたのなら、今の松本の発言に対しこう宣言しただろう。
『あなたはそんなに長くは生きられない』と……。


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