第4話 12月2日
ゴミは放っておけば、どんどん溜まっていく。 あたしはまた憂鬱な気分でいつものゴミ捨て場に向かった。 あーあ、いやだなあ。 また、朝っぱらから蟹江さんの愚痴をきかにゃあならんのか。 だけど、案に反して蟹江さんに会うことはなかった。 というか、ゴミを捨てることすらできなかった。 今朝のゴミ捨て場は立ち入り禁止になっていたのだ。 見慣れたゴミ捨て場を取り囲むように、警官、パトカー、野次馬── いったい、なにがあったんだろう。 野次馬たちの会話に聞き耳を立てているとすぐに状況が理解できた。 この騒ぎの根源は他ならぬ蟹江さんだったのだ。 ついにブチ切れた蟹江さんが娘を手にかけ、ばらばらに切り刻み、このゴミ捨て場に捨てたというのだ。 それを証言したのは本人ではなく、蟹江さんの奥さんらしい。 奥さんは今もなお錯乱状態。 で、当の蟹江さんは行方知れずとか。 そっか。ついにこの日が来ちゃったか。 自分でも不思議なくらいなんの感情も湧きおこらなかった。 とにかくあぶないオジサンだったからなあ。 まあ、もしかしてとは思っていたけどね。 |
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