鼻セレブって……

 




【鼻セレブって……】
[業界のタブーシリーズ]

爆発的なセールスを記録しているDVD「人志松本のすべらない話」だが、カンムリとなっている松本人志の貢献度は意外と低い。
で、おなじみのヒカコラですよ、こんにちは!


ネピア超鼻セレブ
や、それにしてもすごいネーミングですね。
本日ご紹介する商品はインターネットで3000セット限定販売され超速攻で超完売となった超高級ボックスティッシュ"ネピア超鼻セレブ"でございます。
驚異の3枚重ね、1枚1枚になんかイイ香りがします。かつてないしっとり感にうっとり。まるでシルクのような鼻触り。
こんなスバラシイ商品が150組入りの2箱で3000円とは安い、安すぎます。

って、ばかッ!

高いよ、高すぎるよぅ、小沢さん!
あたしゃ認めないよ。だってあぁた、150組で1500円ってことは1組10円だぜ?
10組入りのポケットティッシュだったら1個100円ですよ。
はっきりいって東MAXが紙幣で汗を拭くのに近いものがあるんじゃないのかなあ、コレ。
でもね、高級志向をくすぐるだけではなく、限定品だからこそ売れたって部分もありますわな。
だもんで、これに気を良くした王子ネピアさんが、じゃあコレ生産ラインに乗せちゃおうかなんつって軽いノリで大量生産したとしてもさほどには売れないんだろうなあとか思ったりして……

いやホントに日本人ってヤツは限定高級ってコトバに弱い民族なんですね。
ようは日本人の持つコンプレックスの根幹がそこにあるのではないかとボクは考えるわけですよ。
中流が流行った時代ははるか遠き過去となり、格差社会、勝ち組負け組などと語られる渇いた現代ニッポン。
他人と違ったことをするとイジメの対象になったり社会から不適合者の烙印を押されたり、そんな窮屈な世の中だから誰もが萎縮して右ならえのライフスタイル。せめてアイテムくらいは個性を出したい。没個性からの脱却、ささやかな抵抗、そんな想いが限定というコトバに踊らされてしまっちゃう原因なのではないでしょうか。
高級というキーワードに至ってはもはやいうに及ばず。正直本物のセレブはこんなティッシュ見向きもしないと思うんだ。バーゲンセールで5箱200円のボックスティッシュを日常的に買っている人こそがむしろ飛びついたのに違いない。ねえ、ほんの少しだけ夢を見てもいいかな。そんな夢といえば耳障りのいい劣等感が財布のひもを緩ませちゃうのではないか。ねえ、そうは思いませんか、マダム?
スーツや時計など高いものは買わず、バッグや財布や靴やネクタイなど小物系のブランド物を10万円貯まるBANKとかでコツコツ貯めてやっとこさ購入。もちろん複数持っているバッグや靴など全部が全部ブランド物というわけではない。ほんの一部、もしかしたらひとつだけとかかもしれない。でもそのほんの一部が重要、砦なのだ。自分を勘違いさせるための偽りのステイタス。オブラートさながらに薄く張られたメッキのごときささやかなプライド。
でもね、いいじゃないか。
ボクだってそんな人間のひとりですよ。
特に突出した才があるわけでもない。余裕たっぷりな高収入を得ているわけでもない。イチ庶民。もうどこにでもいる平凡そのもの。
だけど、それに物足りなさというか劣等感に似たものを感じる人は実に多い。
自分は特別だと思いたいけど思えない。大衆にまぎれれば自分の存在価値など毛ほどのものに過ぎないと考えてしまう。
でもね、コンプレックス最高じゃない。
コンプレックス素敵じゃない。
コンプレックスは決して欠点なんかじゃないんだ。
コンプレックスこそ人間らしさの最たるもの。コンプレックスこそ人間の魅力の最たるものなんだ。
いやあ、なんかボク久しぶりにちょっと良いこと言ったっぽい。
自分のセリフに感動して泣けてきたよ。
思わず熱くなる目頭を抑えてしまう。
でも大丈夫。ネピア超鼻セレブがボクの涙をやさしく吸い取ってくれるから……
というわけで、本日ご紹介する商品は―――(リフレイン)
that's all


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