トモくんの生活と性格

LESSON1 トモくんの生活


あせった

ワイシャツが1枚もない

トモくんはまだ眠っている

とても起こすに忍びない安らかな寝顔

自分で取りに行くしかないな、これは

眠るトモくんに合掌して、ボクは彼女の財布を開けた

あったあった、クリーニングの引換券

時間がない、急がねば

きんと冷える朝の空気

両手に息を吹きかけながら足早にクリーニング屋に急ぐ

来るわ来るわ、特大のビニール袋2つ分の洗濯物

相当、溜めてたな、こりゃ

とにかく急いでいたボクは中も確かめずに受け取るとアパートへ引き返す

トースターに食パンを突っ込み、クリーニングの袋をさかさまにし中身を床に散らかす

2人分の服の中から、見慣れたワイシャツを拾って袖を通す

あと10分以内に出ないと遅刻は必定だ

「なんだ、これ?」

ネクタイを巻きながら、見覚えのないクリーニングのひとつを手にとる

小さなかわいいフリルのついた服

これって、幼稚園児とかが着る園服じゃないか?

なんで、こんなものが?

間違って紛れ込んじゃったのかな・・・



そして、夜

なんだかひどく疲れていたので、夕食はおでん

作るの簡単だもんね

ダシはシンプルイズベストな昆布とカツオ節

隠し味は「チキンスープの素」

これで結構味が整ってしまう

一度お試しあれ

なべを突きながら、ふと今朝見た園服のことを思い出す

「そういえばさ、クリーニングに他所のやつ混じってたよね?」

「え、なにそれ」

「ウソ、まだ返してないの?ほら、幼稚園の子が着るような服あったじゃないか」

「そんなの、なかったよ」

「じゃあ、見間違いだったかなあ」

まあ、これ以上言っても水掛け論か・・・

ボクは心の中で一句詠む

『腑に落ちぬ 腑に落ちぬけど まあいいや』


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