終局

終 局


Written by ayumi  

「もしもし、実はお父さんが先ほど、自宅で吐血し亡くなって発見されました・・・」

こんな役目いやだ!早く、娘よ、飛んでこい!
「父の遺体は家ではひきとれません・・・」
終わりだ
彼と別れてから一年、彼と営んでいたバーを離れ、生活を変え、昨日までは笑顔の日々だった。
彼と暮らした3年間これが走馬灯のように駆け巡るという瞬間か・・・
しかし、何故実の娘がそんなに非常識な冷たい決断なのか?
人の死ってはかない物だ
案の定、元彼女として葬儀一切を仕切る事に。
ささやかな友人のみの葬儀
冗談で言ってた競馬新聞をお棺にそえた
まるで、ドラマの様な時間が過ぎた。
私と別れ、バーをたたみ、アルコール性肝炎で入院したと聞き、おせっかいにもお見舞いに行った。
退院してからの彼は、まるで人が変わったかの様に仲間の店の片隅で、ゆっくりと食事をとっていた
ほんの1週間前に言葉をかわしたばかりである
別れても、友人として付き合った
神様だけが知っていたシナリオだ
つらい
何とか遺骨は家族が引き取ってくれた
無縁仏になど出来ない
ほんとの別れなのだ
もう、「早く元気になって、私につぐなってよ」意地悪を言う相手がいない
ボーイフレンドは困惑するばかり
もう誰も失えない。
母も父も元彼をも、去ってしまった
これが、最後の終局でありたい



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