『P』

『P』


Written by 理由  

Pはもともと幹部になるようなタイプではなかった。その他大勢の一人にすぎないのだ。本来ならば…。
それが一体どういう運命のいたずらか、はたまた神様の気まぐれか。彼は組織の最も新しい幹部として迎えられた。
華々しいデビュー!身に余る名誉と重責!
それから随分時は経ったが、P以降、新たな幹部は誕生しておらず、Pが一番新しい幹部であるという状況は今日まで綿々と続いていた。
実在問題として、「Pは幹部に相応しくない」という声は、就任当初からあった。だがしかし、「その他大勢の一人」としておくには、Pの存在感が大きかったのもまた事実。
賛否両論が交錯する中、Pは自身が望むと望まざるとにかかわらず、幹部の末席に名を連ね続けてきた。賛否はあれども、一旦幹部の地位に座り、これといった失敗を犯すことなくやってきたのだ。ならば幹部から外すいわれもなかろう――と、まあこれが、大方の意見かもしれない。
ということで。この組織、このまま現況の執行部体制が続くだろう――誰もがそう思っていた矢先、青天の霹靂とでもいうべきか、組織内部に抜本的な改革が起きたのだ。
まず生じたのは、Pと同程度の存在感を示しつつある復数名を、新たに幹部にしようという動きである。つまり幹部が今より若干名増えることになる。これはなかなか良さそうな意見で、多くの支持者を得られそうだった…。


急転直下の大逆転を生むきっかけとなったのは、会議の席上、たまりかねたある一人の叫びだったらしい。


採決!
Pは幹部から外され、新幹部候補の復数名(たしか3名と聞いている)の幹部昇格も見送られた。決定的な「終局」というにはユルイ話だが、一応は現執行部体制の「終局」である。


「P」、英名「プルトー」、和名は「冥王星」という。
ちなみに、組織の長の名は「S」で、「E」という名の美しくて賢い幹部がいるそうな…。
(ゆるして!)


(参考文献:『擬人法』本サイト上)



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