本年最後を飾るコラム

 




【本年最後を飾るコラム】
今年の漢字は「命」。ヒカコラ予想の「北」は13位だってさ。
で、おなじみのヒカコラですよ、こんにちは!(かるく拗ねてます)


いやー、2006年も残すところあと数日となりましたな。
激動の2006年を振り返ってみると、さまざまな出来事がございました。
とりわけ印象深かったニュースをひとつだけあげるならばやはりこれしかないでしょう。

崖っぷち犬。(それかい!)

11月の下旬、徳島市の某所にて地上50メートルの急斜面に一匹の野良犬が立ち往生するってな事件がありました。
いえね、事件そのものはハッキリいってどうでもいいんですよ。
あたしが注目しているのはこの事件に対する人々の反応なんですな。
え〜、レッサーパンダが2本足で立ったとか、アゴヒゲアザラシが川に現れたとかいうのじゃなくて、単に野良犬が死にそうだって程度のことに、世ン中の人々はまあ騒ぎすぎですよ、ええ。
そら、かわいそうではありますけれども、冷静になって考えてみりゃことさらに騒ぎ立てる事件ではありますまいて。
これって、ホントはあまり興味がないんだけれどみんなが持っているから、あらやだあたしも欲しいわ的な感覚によく似ております。
「やいこら、行政は何やってんでい、とっとと助けておあげなさいよ」なんつってマスコミとかも煽るもんですから集団心理ってヤツにまんまと踊らされちゃってねえ、しかも助かるのは時間の問題だって薄々勘づいてたりするもんだから、なんか妙に緊張感ないんでやがんの。むしろちょっとしたお祭りです。屋台のひとつも出てたってちっともおかしくない状況でございました。
ま、いってもね野良犬の死なんて日常茶飯事ですから、ああた、ええ、なにアツクなってんのさ、ってハナシじゃないですか。
これが人間だったら、はあそらもう、大問題大事件ですよ。あたしらの同胞が大ピンチなわけですからね。何をおいても腕まくりして救助にはせ参じなければ江戸っ子がすたるってなもんですよ。でもね、これ犬なんだな。
な〜んてなこと真顔で言っとりますと動物愛護団体が目くじらを立てるかもしれません。
そうでなくても聞いてて不快に感じるお方もいるかもしれません。
ですがね旦那、ちょっと一服つけて落ち着きましょうや。もしこれがイノシシだったら? ネズミだったら? モグラだったら? それでも早く助けてやれって唾を飛ばしてわめきますか?
同じ生き物、同じ命ですよ。みみずだっておけらだってアメンボだってみんなみんな生きているんですよ。
これはもうね、あたしはっきり言っちゃうよ。こりゃ人間のエゴだ。
彼らは犬が生き物だから助けなさいと言ってるんじゃない。怯える犬の所作がカワイイから助けなさいと言ってるんですな。
つまり、オーディエンスのほとんどがこれを動物愛護の精神で見ているのではなく、ひとつのショーとして見てるわけですよ。
それが証拠に、助けられた犬を我が家で引き取りたいという申し出が殺到したそうじゃないですか。野良犬なんてな、どこにでもいてますわな。最寄の保健所行きゃいくらでも貰えますわな。なのになんでその犬でなければならないかと。
答えはカンタン。その犬が弱い生き物だからじゃなくて、怯える様が超かわいかったからなんです。
つまりこれは慈愛ではなく自愛ってなわけでして……

え〜っとですね、結局あたしはナニが言いたかったのかと申しますとですな、ニュースの価値は自分自身で判断しようやってコトですよ。
人それぞれ価値観や感性が違うわけですから、どうか安易に流されないでいただきたい。放送時間が長いとか、新聞に大きく取り上げられたとか、そんなもんばかりで事件の大小を判断しないでいただきたいと切に願っておるわけですよ。

ま、ということでね、戌年最後を締めくくるにふさわしい犬ネタで本年のヒカコラは店じまいとさせていただきたいと思います。
おあとがよろしいようで。
それではみなさん、良いお年を!
that's all


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